みなさんこんにちは!
7月18日に行われたコンサドーレ札幌戦について
良かった点は以前の記事で書きましたが、今回は課題バージョンです。
良かった点をまとめた記事はこちら→https://jreague.com/vssapporocrop/
後半60分に椎橋のゴールが決まった瞬間、ベガサポの誰もが勝利を確信したのではないでしょうか。
追いついた札幌の割り切った戦いと、勝ちきれなかったベガルタに足りなかったものは何か。
この記事では以下の3点について紹介していきます。
- コンサドーレ札幌、荒野の退場について
- 強気のミシャVS自分を貫く木山の攻防
- ベガルタが勝ちきれなかった要因
では順番にどうぞ
コンサドーレ札幌、荒野の退場について
今節の前半32分、ハイボールに競り合った関口と荒野の個所で小競り合いがあり
飯田主審は荒野に一発退場を命じました。
先に飛んだ関口の腕が荒野に引っかかる形になり、もしかしたら腕が顔に当たったのかもしれません。
倒れこむ関口を退かそうとしたのですが、この一連のプレーが気に入らなかったのか
関口の足を蹴り上げてしまいます。
ベガルタにとって幸運だったのは飯田主審の目の前で起こったということ。
しっかりとレッドカードを提示してくれました。
こういうシーンがあると思うのですが、これはピッチの上で起こったからレッドカードという判定になりました。
ですが普通に暴力行為ですよね。社会的にNGだと思います。
自分は詳しくなかったのですが、荒野は昔から(よく言えば)やんちゃな行為が多いようで、簡単に調べて出てきたものだと
- (C大阪戦で)チームがPK判定を受けて、ペナルティーマークを足の裏で削る
- ほぼ毎回?相手のPKキッカーに近寄りささやき戦術を実行する
- (川崎戦で)中村憲剛がファールを受けて倒れた際に「立て」というようなジェスチャーをする
- (川崎戦で)終了間際の川崎のFK時、わざわざキッカーがボールセットするまで追いかけて行って目の前に座って靴紐を結ぶ
探せば全部YouTubeに動画あるので気になる方はどうぞ見てみてください。
どうなんでしょうね。自分は好きじゃないプレーだったのでこの記事に動画は添えません。
ベガルタとの試合で退場になった際、川崎サポのコメントが多かったのは過去にこのようなシーンを見てるからなのだと納得しました。
過去だけ見て選手を判断してはいけないと解っていますが、自分が荒野と同い年なので、そんなことすんなよ的な感情が出てしまいました。
ピッチ上で熱くなるのはいいことですが、方向を間違えてはいけませんね。
余談ですが、この一連のシーンでDオリベイラとジェイの両助っ人の対応に少しほっこりしました。
まだ制裁内容は決まっていないようですが、どうなるでしょうか。
前例で見るとレッドによる1試合の出場停止だけで済むかもしれませんね。
直近で暴力事件と言えば神戸対清水の20分近い追加タイムによって話題になった試合にて、神戸FWウェリントンが清水GK六反を投げ飛ばしましたが、その件で追加の制裁はありませんでした。(器物破損により追加で2試合の出場停止処分は受けている)
どちらにしても、このような行為が警告で済まされてはいけないと思いますので、飯田主審に適切な判断をしていただけてよかったと思います。
強気のミシャVS自分を貫く木山

この試合は両監督のゲームプランも非常に見ごたえがありました。
前記した荒野の退場で、ミシャが取った選択は超攻撃的でした。
3-6-1から3-4-2にシフトし、攻撃の際には1人少ないことを忘れさせるような分厚い攻めを披露します。
しっかりと自陣からのビルドアップに加え、シンプルにDオリベイラや交代後はジェイを狙ったシンプルなボールも増えました。
また、ルーカスフェルナンデスが効果的で、ベガルタの左サイドからゴールを脅かしてきました。
ちなみに札幌の後半について、田中とチャナの縦関係もほんと凶悪でした。
田中がIHの裏を狙うから、IHはハイプレスに行きにくい。
そこを椎橋がカバーしようにも、裏にチャナが狙って構えてる。
このような立ち位置で、札幌はビルドアップを成功させるだけじゃなく、ベガルタのハイプレスも防ごうとしてきました。
実際に攻めているときのリスク管理は甘かったと思いますが、それを感じさせない程圧倒していたと思います。
監督コメントからも満足のいく攻めを出来たことが良く伝わってきます。
以下、ミシャの試合後コメント
ー試合を振り返って
0-0という状況の中でチャンスがあった中で決めきれず、リードされてしまいました。退場者が出たあとも自分たちのミスから決められてしまい苦しい展開でしたが、ただ、1人少ない中でも非常に良い戦いが出来ていましたし、チャンスの数も多く作れたと思います。私自身は満足いく結果ではありませんが、ゲームの内容は1人少ない我々の方が、逆に1人多いのではと感じることが出来ました。
–アウェイ4連戦を2勝2分けという結果について
湘南戦同様に今日のゲームも勝ちきれませんでしたが、4試合すべての試合においてポイントを得ることが出来たのは非常に良い結果だと言ってもよいと思います。ただ自分たちの簡単なミスから失点をしてしまったのでそういった失点は少なくしていかなければならないと思います。今日のように1人少ない中でもこれだけのサッカーが出来るということは、札幌はやはり良いチームだとピッチの上で表現出来たのではないかと思います。
https://www.consa-entertm.com/entertainment/match_report/mr_view/?id=58773
それに対して木山監督はブレません。
交代カードの切り方も概ねいつも通り。
一人多いアドバンテージを意識してないことは無いと思いますが
自分たちの狙いをしっかり継続しようという、そんな試合運びでした。
試合をスローダウンさせることは出来なかったという方が正しそうですが
継続してボールを奪取したら縦に速い攻撃をチャレンジしてました。
木山監督は失点もですが、この流れで得点を増やせなかったことが課題とする見方をしています。
以下木山監督の試合後コメントです。
久しぶりに我々のサポーターの人たちが入った中での試合で、なんとか勝つ試合、あとはアグレッシブに我々らしくやる試合を見てもらいたいという意志を持って試合に入りました。 選手たちは本当に、立ち上がりから攻守でいいプレーをしていたと思います。それに得点もついてきて、リードするかたちで試合を進めていました。ただ、結果として1人多い状況で追いつかれているので、そこは少しゲームの運び方、いろいろなことを含めてまだまだ甘さがあるなと思います。 ただし、自分たちのやるべきプレーということをしっかり追求しながら、こういう試合にもしっかり臨機応変に対応しながら勝てるようにやっていかないといけないなという反省も踏まえて、また次の試合もホームでありますので、そこに進んでいきたいと思います。
——交代の選手でFW3人を投入しましたが、守りの方を固めようという意図はなかったのでしょうか。
守備の選手では、アピア(アピアタウィア久)もいましたし、守備の選手を入れて守りを固めるというよりも、少しサイドの選手の守備の仕方を注文した中で送り出していきました。だから、守備を固めるということよりも、少し守備の修正をしながらゲームを進めていきたいと。 ただし、フレッシュなFWの選手が入って、カウンターのチャンスが鬼のようにあったので、やはりそういうのをしとめていかないとこういうことが起こりうるかと思っています。
——ボールを持つ時間を増やして、攻撃のテンポを落として時間を稼ぐことは狙わなかったのでしょうか。
もちろん、(田中)渉を入れたのには、ひとつそういう意図がありました。ただしそれが思ったように、彼のところでゲームを落ち着かせるところまでは到らなかったなと。あとは、そういうことも含めて、状況判断をしてプレーをしていかなければいけないと思うのですよ。そこの甘さはやはりあったと思いますし、またこういうことを勉強にしてやっていかなければいけないと思います。
ハーフタイムコメント
相手にチャンスを与えるような後ろ向きのプレーはしないこと。丁寧に攻撃して勝ち切ろう。
https://www.vegalta.co.jp/
10人になった札幌のミシャと、1人多くなった木山ベガルタのそれぞれの策を見ましたが、両監督とも大きな差は無かったと思います。
両監督の狙いは明確で、突き放したいベガルタと玉砕覚悟の札幌
結果論で言えば札幌の覚悟とミシャの戦術が上回りました。
では、結局何が明暗を分けたかと言えば
交代選手の起用方法だと思います。
交代選手の活躍について
ミシャはこの日の控えに、わかりやすい武器を持った選手たちを並べて来ました。
言い換えると、途中から出てきて嫌な選手が多かったです。
そもそも在籍選手の違いもありますが、ルーキー含めた今期の新戦力が4人全員起用されるのだから、いい補強をしているなと思います。
田中駿汰と高嶺は落ち着いてボールを保持し、前線への繋ぎを活性化させ
ルーカスフェルナンデスはこの試合の流れを変えたキーマンで、常に右サイドの主導権を握りました。
ジェイは空中戦で負け知らず、金子も苦しい時間帯に出てきて、良く走り、ベガルタを苦しめました。
特にポイントとなったのはジェイとルーカスフェルナンデスです。
ジェイに対してベガルタはあまりにも無策でした。
常に競り合いで負け続け、最後の最後にCKでジェイのヘディングから田中駿汰の足に当たって失点、この1点が勝利から遠ざかる結果に繋がりました。
ルーカスフェルナンデスはベガルタの左サイドを崩壊させました。
正確に言えば、進藤がハーフスペースでポジショニングすることが多くなり
札幌のWBに対するマークが甘くなったこともありますが、自由にさせすぎました。
ミシャが行った交代策はことごとくベガルタを苦しめていることがわかります。
対するベガルタが行った交代ですが
- 57分にOUT関口、長沢 IN田中、赤崎
- 62分にOUTゲデス IN西村
- 81分にOUT石原、ジャーメイン IN柳、山田
という5枚になっています。
結果論で話してしまう部分もあるのですが、57分に行われた交代に関しては少しちぐはぐだったような気もします。
監督の目から見て疲労度合いがどの程度だったか分かりませんが、2人ともまだまだやれたように見えましたし
田中渉にゲームを落ち着かせるという大きな役割を与えながら、抜け出しやシュートに定評のある赤崎を投入しました。
ゲームを落ち着かせたいのであれば、長沢は残すべきだったと思います。
長沢の高さは札幌守備陣も手をこまねいていましたし、この後間違いなく出てくるジェイに対抗できることも期待できます。
高さがあれば、じっくりと時間をかけた後、シンプルにクロスを上げるだけでも有効になります。
ベガルタがゲームコントロールできなかった原因としては、田中渉は確かにバタバタしていましたが
前線が人数をかけて攻め込む人選だったことも問題かと思いました。
もちろん、ガンガン行こうぜ!といった指示で赤崎を送り出したのならいいのですが。
西村は早く昔の姿を見せてほしいですね。。
抜け出した場面で多少苦しくても思い切りシュートを打ってしまうのが良さだったのに
1人でスローダウンしてDFに詰められて、チャンスを失っていたのはいただけません。
また、明らかに石原がルーカスフェルナンデスに苦戦していたのに対して、柳の投入が遅れたのもいかがなものかと思います。
西村を投入した直後にイエローを貰ってしまったので、難しいタイミングだったとは思いますが、デュエルで負けていたのは後半通して見えていましたし
今日のベンチメンバーを考えれば、柳はほぼ間違いなく起用する予定だったかと思います。
この交代が後手に回ってしまったのも、札幌に長くいい時間を作られた要因に見えました。
山田は残念ながら見せ場無しでした。
結局ベガルタの交代策は、どれも有効に働いていません。
前々節の浦和戦でも言及しましたが、いかに交代カードで違いを生み出せるかを考える必要はあると思います。
ベガルタが勝ちきれなかった要員
ざっくり挙げると、以下の3点が考えられます。
- 交代カードの選択
- 決定期の逸脱
- ジェイの高さ対策
この中でも自分は特に、交代カードの選択が悪かったと思います。
個人的な考えですが、交代カードには新しい選手を送り出す以外にも
ピッチにいる選手に監督の考えを伝える役割があると思ってます。
例えば1点リードの残り10分、FWを1枚下げてDFを投入すれば、「守って逃げ切る」という意図は明確です。
今回の交代カードの使い方を見ると、試合をクローズさせる意図が伝わってないのではないかと思ってしまいます。
チームとして、点を取りに行きたい人と、守り切りたい人が混在してしまえば、間違いなくバランスは悪くなります。
これをハッキリしてあげるのも監督の仕事なのかと思いますので
提案としては、
- 1枚は富田や兵藤といったゲームを終わらせることが出来るカードを用意しておく
- 複数のポジションをこなせる選手を育成する(リスク管理枠の圧縮)
- 監督の考えを伝えられる選手を投入する
といったことが考えられます。
今年は異例の5人交代が認められていますので、是非試行錯誤しながら交代カードの選択、使い方を追求していって欲しいと思います。
また、決定機については結果論ですので、この試合ぐらいのチャンス数で2点なら
倍のチャンス構築を出来るチームに育てて欲しいと思います。
ジェイの高さに対しても、吉野は苦しんでいたので、ベンチに置いているのであればアピアを見せて欲しかったと思いました。
結果論で話すので、足りなかった部分を指摘するのは簡単です。
木山監督の批判をしたい訳じゃなく、むしろ木山監督の姿勢はすごいと思いますし
前記事ではよかったポイントとして紹介しました。
目先の勝利のさらに先を見据えたチーム強化を図ってくれていると思っています。
あくまで、「こういった戦いも考えられたよね」ぐらいの気持ちで書いていることをご容赦下さい。
あっという間に明後日は川崎戦です!
明日の夜か明後日の朝までに川崎戦の展望的なことも書きたいと思いますので、よろしければまた遊びにいらして下さい!
直近の川崎はまさに隙が無いチームになっていますが、頑張って勝てそうなポイントを見つけたいと思います!
では次戦に向けて、FORZA 仙台!
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